なぜ日本人は「野球」が好きなのか?野球を知らない妻との会話から考えてみた

野球

野球って、何が面白いんだろう?

突然ですが、そんなことを考えたことはありませんか?

私は幼稚園の頃から野球が好きで、高校までずっと野球をしてきました。

今でも草野球を楽しんでいます。

私にとっては、野球は「好き」というより、もはや生活の一部。

ところが、私の妻はというと……

野球、ほぼ知りません。

ルールもよく分からない。

選手の名前もほとんど知らない。

そんな妻が知っていたのが、

イチロー。

松井秀喜。

佐々木主浩。

野茂英雄。

「おお、意外と知ってるじゃん!」

と思ったのですが、話を聞いてみると……

現役選手なのか、昔の選手なのかも、ちょっと怪しい(笑)。

そんな妻と野球の話をしていると、

「そもそも、野球って何が面白いの?」

という話になりました。

野球好きの私からすると、なかなか難しい質問です。

「いや、面白いから面白いんだよ」

では、説明になっていません。

そこで今回は、野球好きの私が、野球を知らない妻との会話をきっかけに、「なぜ野球は日本にこれほど根付いたのか?」を考えてみたいと思います。

野球は、もともと日本のスポーツではなかった

まず意外なのが、野球は日本生まれのスポーツではないということ。

現在の野球につながるベースボールはアメリカで発展し、日本には明治時代に伝わりました。

1872年(明治5年)には、開成学校(現在の東京大学)でアメリカ人教師ホーレス・ウィルソンが学生たちに野球を教えたとされています。

当時は、まだ「野球」という言葉が一般的だったわけではありません。

「玉遊び」など、さまざまな呼び方がされていました。

そして、ここから日本の野球史が大きく動いていきます。

1896年(明治29年)。

第一高等学校、いわゆる一高の野球部が、横浜の外国人チームと対戦し、29対4で勝利。

この試合は新聞でも報じられ、日本国内で野球への関心が一気に高まっていきました。(国立国会図書館⁠)

つまり、

「外国から入ってきたスポーツを、日本人がやってみたら、めちゃくちゃ盛り上がった」

というわけです。

そして、ここから野球は学校教育や大学スポーツとも結びつきながら、日本全国へ広がっていきます。

「野球」という言葉が、実はすごく面白い

ここで、私が個人的に面白いと思うポイントがあります。

それが、

「野球」という名前です。

「baseball」と聞けば、もちろん「ベースボール」。

でも、日本ではほとんどの人が「野球」と呼びますよね。

この「野球」という言葉は、明治時代に中馬庚(ちゅうま・かのえ)がベースボールの訳語として用いたものです。国立国会図書館の資料でも、中馬庚が明治26年(1893年)に「野球」と命名したことが紹介されています。(国立国会図書館⁠)

これって、よく考えると結構すごいことだと思うんです。

サッカーには「蹴球」。

バスケットボールには「籠球」。

バレーボールには「排球」。

日本語の訳語は存在します。

でも、普段の生活で、

「今日は蹴球を見よう!」

「昨日の排球の試合見た?」

なんて言う人は、ほとんどいません。

それなのに「野球」は違う。

日本人の多くが、

「野球を見に行く」

「野球をする」

「野球選手になる」

と普通に使っています。

「野球」という言葉そのものが、日本の生活に入り込んでいる。

私は、ここに野球が日本に根付いた理由の一つがあるんじゃないかと思っています。

野球は「日本のスポーツ」になった

もちろん、名前だけが理由ではありません。

野球が日本に広がった背景には、学校教育、大学野球、新聞、プロ野球、高校野球など、さまざまな要素があります。

特に大きかったのが、学生スポーツとしての発展です。

1903年には早稲田大学と慶應義塾大学による早慶戦が始まり、大学野球は大きな人気を集めるようになりました。

1905年には早稲田大学野球部がアメリカへ遠征。

海外の技術や用具などを日本に持ち帰り、日本の野球発展にもつながっていきました。(国立国会図書館⁠)

そして、その後の高校野球、プロ野球へ。

いつの間にか「外国から来たスポーツ」だった野球は、

日本人が応援し、日本人が育て、日本人が楽しむスポーツ

へと変わっていきました。

ここが面白いところです。

なぜ野球は、ここまで日本人に愛されるようになったのか?

私は、もう一つ大きな理由があると思っています。

それは、

「日本代表を応援しやすい」

ということです。

WBCのような国際大会になると、

「野球のルールはよく分からないけど、日本代表だから見る」

という人が増えます。

普段はプロ野球を見ない人でも、大谷翔平選手が出るとなればテレビを見る。

これは野球に限った話ではありません。

2011年には、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」がFIFA女子ワールドカップで優勝し、大きな注目を集めました。

スポーツは、世界大会で日本代表が活躍すると、一気に多くの人の目に入ります。

そして、そこでスター選手が生まれる。

その選手をきっかけに、その競技を知る人が増える。

この流れは非常に強いと思います。

そして野球には「知っている選手」がいる

ここで、最初の妻の話に戻ります。

妻は野球に詳しくありません。

それでも、

イチロー。

松井秀喜。

野茂英雄。

佐々木主浩。

このあたりの名前は知っていました。

これ、実はすごく重要なんじゃないかと思うんです。

野球を知らない人にも、

「名前だけは知っている」

という選手がいる。

さらに現在なら、大谷翔平選手。

野球をほとんど見ない人でも、大谷翔平という名前を聞いたことがない人はかなり少ないでしょう。

2026年のWBCでは、日本は準々決勝でベネズエラに敗れましたが、予選ラウンドでは4戦全勝で1位通過するなど、日本代表への注目は依然として大きなものでした。大会そのものはベネズエラが優勝しています。(MLB.com⁠)

つまり、野球には、

「競技そのものを知らなくても、選手を知っている」

という入口があります。

これって、スポーツが広がるうえでかなり大きなことだと思います。

野球の面白さは「勝ち負け」だけじゃない

じゃあ、野球の何が面白いのか?

私が思うのは、

「一球で流れが変わるところ」

です。

9回まである。

0対0でも、最後の一球で試合が決まることがある。

9回裏、2アウト。

ランナーがいる。

あと1本ヒットが出れば逆転。

ここで打者が打つ。

球場が一気に沸く。

逆に、あと少しで勝てると思ったところから、一発のホームランでひっくり返されることもある。

野球は、何時間も試合をしているのに、最後の数秒で全部ひっくり返ることがあります。

この「間」が、野球の魅力なのかもしれません。

サッカーのようにずっと攻め続けるスポーツとは違う。

バスケットボールのように何度も得点が入るわけでもない。

野球には、

「待つ時間」

があります。

そして、その待った先に、一球が来る。

その一球に、何時間分ものドラマが詰まっている。

私はそこが好きです。

「野球が好き」は、実は「野球を見てきた時間」が好きなのかもしれない

そして、39歳になった今、私はもう一つ思うことがあります。

野球が好きなのは、単純にスポーツとして面白いからだけではないのかもしれません。

子どもの頃に見た野球。

父親と見た野球。

友達と話した野球。

高校時代に自分自身がプレーした野球。

負けて悔しかった試合。

勝って嬉しかった試合。

怒られたこと。

笑ったこと。

グラウンドの土の匂い。

夏の暑さ。

試合前の緊張感。

そういうものが全部、

「野球」

という一つの言葉に詰まっています。

だから、野球を見ていると、単純に試合を見ているだけなのに、昔の記憶まで一緒に出てくる。

もしかすると、私にとって野球は「スポーツ」以上のものなのかもしれません。

野球を知らない人にも、野球を楽しんでほしい

もちろん、野球に興味がない人がいても全然いいと思います。

妻も、今でも野球に詳しいわけではありません。

でも以前よりは、

「この選手知ってる」

「このチーム強いんでしょ?」

なんて言うようになりました。

それだけでも、野球好きとしてはちょっと嬉しい。

ルールを全部覚える必要なんてありません。

打った!

走った!

アウトになった!

ホームランだ!

日本が勝った!

最初はそれだけでもいい。

そこから少しずつ選手を知って、チームを知って、歴史を知っていく。

すると、今までただの「野球の試合」だったものが、少しずつ物語に変わっていきます。

野球は「ベースボール」から「野球」になった

外国から日本にやってきたベースボール。

それが日本人の手に渡り、

学校で広まり、

大学で盛り上がり、

高校野球が生まれ、

プロ野球が発展し、

日本代表が世界と戦い、

そして今では「野球」という言葉だけで、多くの日本人に意味が伝わる。

私は、ここに野球の面白さがあると思います。

ただの輸入スポーツではありません。

日本人が長い時間をかけて、自分たちの文化の中に取り込んできたスポーツ。

だから私たちは「baseball」ではなく、

「野球」

と呼んでいるのかもしれません。

そして今日も、どこかのグラウンドで誰かがボールを投げ、誰かがバットを振っています。

プロ野球でも。

高校野球でも。

草野球でも。

公園でのキャッチボールでも。

私自身、これからも野球を楽しんでいきたいと思います。

そして、いつか娘にも、

「野球って面白いよ」

と伝えられたらいいなと思っています。

妻には……

まずはルールからですね(笑)。

野球を知らない人にも、野球好きの人にも。

それぞれの楽しみ方で、白球を追いかけてほしい。

そんなことを、野球好きの一人として思っています。

↓この記事を書いた人
ゴリゴリ☆ドラぷ~

ゴリゴリ☆ドラぷ~について

はじめまして。「ゴリゴリ☆ドラぷ~の野球塾」を運営しています。

幼い頃から野球が好きで、小学生から高校生まで野球を続けてきました。体育大学を卒業し、体育教師として学校現場にも携わってきました。現在も草野球を楽しんでいます。

このブログでは、これまでの野球経験をもとに、野球初心者にも分かりやすく、野球をもっと楽しめる情報を発信しています。

ルールや技術、野球用具だけでなく、高校野球やプロ野球、野球の歴史・雑学、スポーツや教育について感じたことなども、自分自身の経験や視点を交えながら紹介していきます。

「野球って、けっこう面白い。」

そんなふうに思ってもらえるブログを目指しています。

野球好きの方も、これから野球を知りたい方も、ぜひ楽しんでいってください!

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