先日、巨人の山崎伊織投手が2度目の完封勝利を収めましたね!
野球経験者や野球好きな方からしてみれば、「完封」と聞いてすぐに状況が分かると思います。
ですが、はて…カンプー?そんなに凄いこと??と思っている人も
多かれ少なかれいるはず。
今回はそんな「完封勝利」について、深堀りしていきます!
完封勝利とは?
相手チームを無得点に抑えて試合に勝利すること。
勝利投手が 1人で全てのイニングを投げ切り、かつ 相手に得点を許さない必要があります。
例えば、9回まで投げて0点に抑えた場合。
完封勝利がすごいと言われる理由
- 非常に高い投手能力が必要で、制球力・スタミナ・配球など総合力が求められる。
- 一人で最後まで抑えきる精神力・集中力が必要。
ちなみに…
「100球以下」での完封勝利は「マダックス(Maddux)」と呼ばれるほど非常にすごいことで、
投手としての効率・制球力・打たせて取る能力が極めて高い証です。
<マダックス(Maddux)とは?>
- メジャーリーグの名投手 グレッグ・マダックスにちなんで名付けられた用語。
- 100球未満(99球以下)で完封勝利することを指す。
- ただ無失点に抑えるだけでなく、「無駄球が少なく、テンポ良くアウトを重ねた」ことが
評価される。
なぜすごいの?
- 1試合(9回)で必要なアウトは27。
- たとえば毎回3人ずつ抑えても9回×3=27人の打者に対して、平均で1人あたり3.7球未満で
抑える必要がある。 - 三振を多く狙うよりも、ゴロやフライで早くアウトを取る「打たせて取る投球」が求められる。
投手の心理状態
1. 集中とゾーン(フロー状態)
完封する投手は試合中、極度の集中状態にあります。
いわゆる「ゾーン」に入っていることが多く、周囲の雑音が気にならず、投球フォームやバッターの反応に対して感覚が鋭敏になっています。
2.緊張とプレッシャー
特に7回以降になると「完封」が意識されるようになり、「この1点も許せない」というプレッシャーが増してきます。
捕手とのサインや守備の一つひとつにも神経をとがらせています。
3.自信と手応え
打者を抑え続ける中で、「今日は自分のボールが走っている」「打者の反応が取れている」といった手応えを感じて、自信が高まっていきます。
自分の投球に対する信頼が強くなります。
4.孤独感
投手は基本的に孤独なポジションです。
完封がかかる終盤になると、ベンチでも話しかけられず、精神的に孤立したような状態に置かれることもあります。
これは集中を保つためでもあります。
5.達成感と安堵
試合終了とともに、ようやく緊張がほどけて達成感と安堵が一気に押し寄せます。
完封は個人としての大きな勲章でもあり、チームに勝利をもたらしたという責任感からくる喜びも大きいです。
完封勝利に至るまでの見どころ
1.投手としての最高の勲章
完封は、1試合を最初から最後まで一人で投げ抜き、1点も許さないという非常に難しい偉業です。
打者を抑え続けるスタミナ、技術、メンタルすべてが問われるため、投手個人としての誇りや達成感が非常に大きいです。
2.チームへの絶対的貢献
完封勝利は、味方の得点が少なくても勝てるという意味で「勝利を引き寄せる力」があります。
打線が沈黙している日でもチームを救える存在として、仲間からの信頼も高まります。
3.記憶に残る快挙
ファンやメディアの印象にも強く残ります。
たとえ派手な三振ショーでなくても、完封という結果自体が「投手が主役だった」ことを証明します。
野球人生のハイライトになる選手も多いです。
4.野球本来の醍醐味が詰まっている
野球は「点をやらなければ負けない」スポーツで、完封はその本質を体現する結果です。
1球ごとの駆け引き、配球、守備との連携など、野球の面白さが凝縮されています。
5.希少性が高い
近年はリリーフを使う分業制が主流で、完封勝利は減っています。
その分、達成したときの価値はさらに高く、「昔ながらのエース像」に通じるロマンがあります。
これまでにマダックスを達成した投手
日本プロ野球での「100球未満(マダックス)」完封勝利の例
- 山本由伸(オリックス・バファローズ)
- 2020年8月15日:楽天戦で完封勝利、投球数は98球。
- ダルビッシュ有(北海道日本ハムファイターズ)
- 2012年:完封勝利を達成、投球数は99球。
- 杉内俊哉(福岡ソフトバンクホークス)
- 2007年:完封勝利を達成、投球数は99球。
- 成瀬善久(千葉ロッテマリーンズ)
- 2008年:完封勝利を達成、投球数は99球。
- 田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)
- 2011年:完封勝利を達成、投球数は99球。
まとめ
「完封勝利(かんぷうしょうり)」とは、相手チームに1点も得点を許さずに勝利すること。
完封勝利には、個人の栄誉とチーム貢献が一致する特別な価値があります。
それゆえに、選手本人もファンも心から誇れる瞬間になります。
心理的には「冷静さ」と「情熱」、「緊張」と「自信」が同居する、とても繊細で高度な状態です。
熟練の投手ほど、そうした心理バランスをうまくコントロールできる傾向があります。
その中でも「マダックス(100球未満での完封)」は、投手としての高い技術と精神力を象徴する偉業と言えます。
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